2013年 10月
しいたけ
今月は秋の定番で、ヘルシーな食材「しいたけ(椎茸)」を紹介します。
しいたけの名前の由来は、文字通り「椎(しい)」の木に自然に発生していたため、この名が付いたといわれています。栽培の歴史は古く、江戸時代の初め頃からといわれており、その栽培方法は、シイやクヌギなどの原木にナタなどで傷を付け、自然に菌が付き生えてくるのを待つというのんびりしたものでした。
現在の栽培方法は大きく分けて「原木(げんぼく)栽培」と「菌床(きんしょう)栽培」の二つがあります。原木栽培とは、昭和の初期から行なわれている方法で、伐採した天然のシイ、クヌギ、ナラの木に菌を植え付ける方法です。主に中山間部の山林で生産され、気象状況の影響を受けやすく、収穫時期、量、品質が安定しづらい手間ひまのかかるものですが、より自然に近い栽培法なので味の方は菌床栽培に比べ歯ごたえがあり、うま味が多くなります。
一方の菌床栽培は、平成元年ごろから普及し始めた、木の代わりにおがくずを固めたブロック状のものに菌を植え付ける方法です。ほとんどがハウスなどの施設内で栽培するため、夏場の菌が発育しにくい時期にも栽培が可能で、量、品質ともに安定供給しやすい栽培法です。食感は原木に比べやわらかいですが、価格的には手ごろなため中国産などの輸入品を含めると、約80%とその流通量は増えています。
現在では店頭に並ぶしいたけには、「原木」と「菌床」の栽培方法の表示が義務付けられています。原産地表示とともに、お買い求めの際には参考にしてください。
しいたけは、低カロリーで、整腸作用にすぐれた食物繊維を多く含み、コレステロールを低下させ高脂血症を抑制するエリタデニンという成分も含んでいます。また、紫外線に当たるとビタミンDに変わるエルゴステロールという成分を多く含み、変化したビタミンDがカルシウムの吸収を助けます。それ以外にも、ビタミンBやうまみ成分のグアニル酸、グルタミン酸なども含む健康と美容に良い食材です。
おいしいシイタケの選び方は、肉厚でカサがあまり開いていなもの、またカサのウラが白くヒダが細かいもの、そして軸が短く太い物を選んでください。保存する場合は湿気が多いと傷みやすいので、乾かしてからキッチンペーパーやラップなどで包み冷蔵庫で保存してください。
シイタケは1年中店頭に並んでいますが、秋に出回るものが最もおいしいと言われていますので、ぜひ香川県産のしいたけを召し上がってください。