高松青果株式会社

2013 12

ほうれん草

今月は冬野菜のひとつ、緑黄色野菜のほうれん草を紹介します。

ほうれん草の原産地は西アジアでペルシャ(今のイラン)あたりだそうです。ほうれん草を漢字で書くと「法蓮草」や「菠薐草」などの書き方があります。この「菠薐」はペルシャをさす言葉だそうで、古くにシルクロードを通り中国に伝わり、日本には江戸時代に伝わり、現在では北海道から九州まで全国各地で栽培されています。

ほうれん草は大きく分けて東洋種と西洋種の2種類があります。東洋種は葉先がとがっていて葉肉が薄くアクが少ないのが特徴です。西洋種は葉先が丸く肉厚でアクが強くなっています。現在では両方の特徴をかけ合わせて品種改良が重ねられ、数多くの品種が全国各地で栽培されています。

今では1年中出回っているほうれん草ですが、本来の旬は秋から冬にかけてで、春から夏にかけて出回っているものはハウス栽培や冷涼地で栽培されたものです。香川では11月頃から露地栽培のほうれん草の出荷が始まります。本来の旬の寒い時期にじっくり成長していく露地ほうれん草は、ハウス栽培に比べて葉が肉厚で、栄養分、甘味が多くなっています。香川県内、特に高松市近郊の生産者の中には、根を切らずに写真のような荷姿で出荷されている方も多いので購入の際には参考にしてください。

ほうれん草の栄養成分は、βカロテンの他にビタミンC、B2、カリウムなどが豊富に含まれており、血液を作るために欠かせない鉄や葉酸も多く含まれています。ほうれん草にはアクの成分(おもにシュウ酸)が含まれており、そのアクを減らすためにも茹でて調理することをお勧めします。ただし、茹ですぎるとビタミンCが流れ出てしてしまいますので注意してください。

ほうれん草を選ぶときには、葉の緑色が濃く、葉先までハリがあり黄色く変色していないものを選んでください。保存方法は、ビニール袋などに入れて乾燥しないようにして根を下にして立てた状態で冷蔵庫で保存してください。

今年の香川県産ほうれん草は、11月から出荷が始まりました。蒔きつけ時期の天候の影響で生育不良が心配されていましたが、徐々に回復しています。これからが旬の時期の栄養価が高く味も濃い香川県産のほうれん草を召し上がって、この冬を乗り切ってください。

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