2025年 11月
セレベス
寒くなる季節にぴったりの里芋「セレベス」は、香川県で昔から親しまれてきた赤芽系の品種です。
芽の部分がほんのり赤く色づいていて、見た目にも温かみがあり、料理に彩りを添えてくれます。
ぬめりが少なく、しっかりとした肉質で、ホクホクとした食感が特徴です。
親芋も美味しく食べられますので、煮物はもちろん、ジャガイモの代わりに使えばグラタンなどの洋風メニューにもよく合います。
セレベスは、白芽系の里芋と比べるとやや柔らかく、煮崩れしやすい傾向がありますが、その分、芋自体にしっかりとした旨みがあるのが魅力です。
おでんにポンと入れるだけでも美味しく、心も体も温まる一品になります。
香川県では「しっぽくうどん」や「いもたこ」などの郷土料理に欠かせない存在で、地元の食卓には自然とセレベスが並ぶことが多いようです。
農家の方によると、煮物にしたセレベスを翌日にジャガイモのようにつぶし、炒めたひき肉などと合わせてコロッケにすると、また違った美味しさが楽しめるとのこと。
温かくても冷めても味がしっかり染み込んでいて、お弁当や作り置きにもおすすめです。
主な産地は高松市の一宮・成合地区。
今年は夏の高温干ばつの影響で、やや小ぶりなものが多く見られます。
また、生産者の高齢化も進んでおり、出荷量は少しずつ減ってきているのが現状です。
それでも香川県産のセレベスは、ひとつひとつ丁寧に土を落として出荷されており、見た目もきれいで扱いやすく、手間暇かけた品質の高さが魅力です。
店頭で香川県産のセレベスを見かけた際は、ぜひ手に取ってみてください。
作り手の思いが込められたセレベスは、食卓にやさしいぬくもりを添えてくれます。
香川の郷土の味わいを、ご家庭でも気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。
高松青果 営業部






