2014年 3月
しらぬひ(デコポン)
皆さんは春先に出回る柑橘類をいくつご存知でしょうか?イヨカン、ポンカン、ハッサク、文旦などは有名ですが、最近では他にも次々と新しい品種が作られ、その種類は数え切れないほど多くなっています。今回はそれらの中でも特に人気が高い「しらぬひ」を紹介します。
しらぬひは右の写真のとおり、頭の部分の出っ張りが特徴で、清見(温州ミカンの宮川早生と外国産のトロピタオレンジという品種をかけ合わせて作られた品種)とポンカンをかけ合わせて九州で作られた品種です。酸味が少なく、高い糖度とオレンジの香りが特徴で、皮がむきやすく袋ごと食べられる食べやすさもあいまって、最近では全国的にも栽培面積、取扱量が増加している売れ筋の柑橘です。
しらぬひは名前からわかるとおり、熊本県の不知火地区で栽培が始まりましたが、育成当初は味も今ほどおいしくなく、販売にも苦労していたそうです。その後、選別を重ね栽培方法も改良され、今のようになりました。JA熊本果実連では、その中から糖度等のいくつかの基準をクリアした品質の良いものだけを「デコポン」という名前で出荷しており、他県産にこの名前を使用することができませんでした。現在でも「デコポン」という名称の使用にはさまざまな制約があるため、香川県産の多くは「しらぬひ」として出荷され流通しています。
今回紹介したしらぬひをはじめ柑橘類にはビタミンC、カリウムが豊富に含まれており、風邪や感染症の予防、高血圧などの生活習慣病予防に効果があります。また、酸味の成分であるクエン酸も多く含まれており、疲労回復に効果があります。加えて、発ガン抑制物質として注目されている「βクリプトキサンチン」が含まれているものも多くあり、健康と美容に最適の食物ではないでしょうか。
暖かさが増すにつれて、今回紹介したしらぬひはもちろんのこと、イヨカン、ポンカンといったものから、「せとか」「はるみ」などの新しい品種まで、多くの種類の柑橘類が出回ります。ぜひこの時期に香川産のおいしい柑橘をたくさん召し上がってください。