高松青果株式会社

2014 11

富有柿

【西日本中心の柿の王様】
 柿の品種は1000以上あると言われていますが、その中でも富有柿は、果肉は甘く適度な柔らかさが特徴の、柿を代表する品種であり最高の品種といえます。香川県でも富有柿の栽培が盛んで、綾川町・香南町を中心に栽培されており、出回り時期は、10月下旬~12月下旬までです。
 柿は軟化(熟しすぎて実が柔らかくなる)すると商品価値が下がります。冷え込んでくると実がしまって軟化がおこりにくくなるので、気温が下がってくる11月中旬になると本格的な出荷となります。
 しかし、寒ければ寒いほど品質がよいかというとそうではなく、富有柿を含む甘柿には生育に一定の温度が必要で、岐阜県から茨城県が栽培の北限とされています。そのため、東日本では富有柿は珍しく、『関東の知り合いに富有柿を送る』という贈答の習慣があります。高松市場でも、これから気温が下がってくると、大玉できれいなものは贈答用としての需要が高まります。

【大変な作業「拾いちぎり」】
 柿の収穫は、収穫時期によって2種類に分けられます。12月に入って赤く色づいた柿全てを収穫していくのは「総ちぎり」という方法です。対して、12月以前には、まだ青みの残っている園地の中から色づいた柿を探して収穫していく方法は、「拾いちぎり」とよばれています。
 この「拾いちぎり」では、園地をあちこち移動する手間の割には少ししか収穫出来ないため、生産者にとっては大変な作業です。柿の木は果樹の中でも背が高く成長するもので、自然のものでは15メートルほどにもなり、高いところはハシゴや高所作業車などを使って収穫をしています。11月中に出る柿の収穫は、少しでも早い収穫適期に柿を出荷しようと、生産者の方は特に努力をされていることを知っておいてください。
 今年は8月の雨とその後の晴天により豊作・大玉傾向で食味も良好です。ぜひ香川産のおいしい柿をご賞味下さい。

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