2013年 7月
桃(品種:「加納岩白鳳」、「あかつき」など)
7月に入ると日差しも強くなり暑い日が多くなってきました。今回は、夏果実の代表のひとつでもあり、7月に出荷のピークを迎える香川県産の「桃」を紹介します
桃は古くに中国から伝わり、縄文時代には栽培されていたといわれる大変歴史のある果実です。当初、主にその用途は花としての観賞用としてのものでした。本格的な食用としての桃は、明治時代に外国から新しい品種が入ってきて普及しはじめ、香川県内でも明治時代から栽培が始まりました。桃は晴天が多いほど甘味が増していきますので、日照時間が長く雨の少ない瀬戸内の気候は桃の栽培に適しており、香川県は優良な産地のひとつとなっています。
5月下旬頃からハウス栽培品種が出始め、続いて6月下旬頃から早生品種の「日川白鳳」、「加納岩白鳳」など、7月中旬にはいると「あかつき」、「よしひめ」など、7月下旬から8月の初旬にかけては、晩生品種の「なつおとめ」「清水白桃」など、さまざまな品種が次々と高松市場に入荷します。
桃には食物繊維が多く含まれており、便秘の改善や大腸がんの予防など整腸作用に優れています。その他にも利尿効果、血圧・体温を下げる効果のあるカリウムが多く含まれており、夏バテしたときには水分はもちろん、このカリウムの摂取も必要と言われています。それら以外にも、βカロテン、ビタミンE、抗酸化物質のカテキンなどの成分も比較的多く含まれている、健康と美容に良い果物です。
おいしい桃を選ぶには、皮全体にうぶ毛があり、丸いきれいな形をしたものを選んでください。うぶ毛が多いものの方が収穫から時間が経っておらず新鮮です。品種により果皮の色に違いはありますが、同じ品種であれば色の濃いものの方が、また、香りの強い物の方が甘く熟した桃です。桃を保存する場合には風通しが良く涼しい場所で常温保存してください。冷蔵庫で冷やしすぎると風味が落ちますので、冷やす場合は食べる1~2時間前に冷蔵庫に入れるようにしてください。熟した桃は傷みやすいので、取扱いに注意し、早めに召し上がることをお勧めします。
今年は、春先の冷え込みで開花が1週間ほど遅れたものの、その後は天候にも恵まれ、今のところ平年並みの作柄となっています。これから旬を向かえ、美容と健康に良く、贈答品としても喜ばれ、糖度が高く風味も良い高品質の香川産の桃を召し上がっていただき、この夏を乗り切ってください。