2015年 9月
二十世紀梨
秋を代表する果実の梨、その中でも今回は、二十世紀梨を紹介します。
二十世紀梨は鳥取県が本場ということは皆さんもよくご存じのことでしょう。その生産量は全国1位を誇っています。高松市場では、9月中頃までは鳥取県産が出回り、続いて9月下旬から長野県産が出回ります。生産地ではここ数年、生育中に霜、雹等の被害により満足した数量が出荷できませんでしたが、本年度は春先の開花時から生育に恵まれ、また8月の台風にも耐え抜き、数年ぶりに豊作傾向となりました。
二十世紀梨は水分が豊富で適度な甘さ、酸味を兼ね備え、さっぱりとした食感を楽しめます。暑さが残るこの9月には最適な果実といえます。皮が薄緑色でも十分おいしいのですが、シーズン後半になると皮が黄色い梨も目立つようになります。食感がやや軟らかくなりますが、甘さが増し違う味わいを楽しむことができます。
果実を扱う者として、最近の消費者の皆さんの果実離れが気になります。ケーキやゼリーなど多種多様に増え、またそれらはお手ごろな値段で購入でき、甘くておいしい。果実も糖度ばかりに過剰に反応する傾向も見られます。「甘い=おいしい、甘かったらそれで良いの?」と感じることもあります。果実が持つ本来の風味(香り)、食感を改めて感じさせてくれるのが二十世紀梨だと思います。今の旬の時期に是非ご賞味下さい。