高松青果株式会社

2016 3

ハッサク(八朔)

 いろいろな新しい品種の柑橘が出回っている今の時期、今月は昔から皆さんにもなじみ深い「ハッサク」を紹介します。
 中晩柑類の内、ハッサクを含めた甘夏、文旦などは、12月から1月頃が収穫時期です。収穫したばかりの柑橘は、酸が多くて大変酸っぱいものです。それを何日か貯蔵保管することで酸が抜け、おいしくなってきます。そのため、ほとんどの柑橘は、収穫後一定期間貯蔵し、酸がある程度抜けてから出荷しています。
 その中で今回は、香川のブランドハッサクとして人気の高い「丸龍」のハッサクを紹介します。丸亀市綾歌町を中心とした生産者11軒からなるグループは、冬に収穫したものを通常より遅めの3月~6月頃に出荷します。県内他産地のハッサクは2月から4月の出荷が多いのですが、遅めに出荷する理由は、早い時期は寒く皮をむくのが億劫と感じる消費者が多かったり、他に競合する品種が多かったりするので需要が今ひとつ伸びないためです。そのため、生産者の方は、長期貯蔵して需要が増えてくる遅い時期に市場へ出荷する、という努力を行っています。
 長期貯蔵するために、収穫した実を収穫コンテナごと冷蔵庫に入れて、温度は5℃、湿度は85%で貯蔵します。出荷時期には冷蔵庫から出し、常温に戻すのに半日から1日、付着した水分を拭いて汚れを落とすのに1日から2日、箱詰めと出荷に1日、計3日から4日かけて作業を行います。そして、3月は3L中心、4月は2L中心、5月はL中心というふうに、大玉から先に出荷していきます。これは、小玉の方が酸度や水分量の関係で、品質を維持しやすいためです
 丸龍のハッサクは、味はもちろんのこと選果がしっかりされており、見た目も大変きれいなため、店頭売りだけでなく贈答用としても人気の商品です。赤色で龍の絵の入った箱で出荷されていますので、売場で見かけた際はぜひ購入してください。今年の香川県産ハッサクは、やや小玉傾向ではあるものの、全体的に食味は良好です。これからの時期、甘味と酸味、苦味のバランスの良い香川県産のハッサクをぜひご賞味下さい。

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