2017年 1月
青島温州みかん
温州みかんは、出荷時期によって大きく3系統に分けられます。
極早生温州 9月~
早生温州 11月~
普通温州(晩生) 12月中旬~
今回は、晩生品種の中でも香川県で流通量の多い青島温州みかん(以下 青島みかん)をご紹介します。
【貯蔵方法に技術あり】
青島みかんは12月に収穫します。しかし収穫直後は、まだ酸味が強く見た目も緑色が残っており、商品には適していません。ところが、収穫時期を延ばすと、雨風に当たって傷が増えたり、鳥獣被害にあったり、凍ったりする可能性があります。そこで、農家さんが収穫後に手間をかけて行っているのが貯蔵です。倉庫に貯蔵して熟成していくうちに、オレンジ色が濃くなり、酸味も抜けて食味がよくなっていきます。また、収穫コンテナから木箱に入れ直して水分や空気の流れを調節する「本貯蔵」とよばれる方法を行うと長期保存でき、2月~3月ごろまで出荷できます。時期になると青島みかん生産者の倉庫内には、木箱がズラッと規則正しく積み重ねられており、その光景は圧巻です。
貯蔵が出来る分、「いつ市場へ出荷すればよいか」が生産者のみなさんが一番気になるところです。単に入荷量の多い少ないだけではなく、買受さんの要望や他市場の状況、天気予報などの情報を集め、生産者のみなさまと出荷時期を一緒に考えていくのも当社の役目のひとつです。
【大玉でもおいしい】
青島みかんは、形に特徴があります。ほぼ真ん丸の「ゆら早生みかん(極早生品種)」、少し楕円形の「早生みかん」・・・それに比べると、青島みかんはまるで野球マンガの剛速球で硬球がへこんだような、扁平な形をしています。また、皮が厚くて貯蔵性に優れている分、果肉と果皮が離れる「浮き皮」になりやすいです。大きさを選別するときは選果機のワクに通しますが、扁平形と浮き皮の影響でワクに引っかかりやすく、同じ重さでも大玉サイズに選別されがちです。
そんな大玉のみかんですが、食味はどうなのでしょうか。実は、青島みかんは大玉でもコクがあって大味になりにくく、その違いは早生系のみかんと比べるとはっきりとしています。また、大玉の方が皮もむきやすいので、食べやすく、消費者からも人気があります。
今年は酸抜けがよく、おいしい青島みかんが出荷されています。ぜひご賞味ください。
果実部 福本篤史