2017年 7月
シャインマスカット
今一番注目されている果実、シャインマスカットをご紹介します。2006年に品種登録された新しい品種で、香川県は全国でも有数の産地です。シャインマスカットの当社への入荷量は2009年で1t、2011年度に6tしかなかったのに対し、2016年度は50tと急成長しています。主力品種のピオーネ(2016年度120t)に次いで2位の入荷量で、一気に人気品種となりました。
ここでは、シャインマスカットの裏話をご紹介します。
【県が推奨の優良品種】
香川県農業試験場 府中果樹研究所には、県下で最初のシャインマスカット、19年生の木が植わっています。この木は1999年に全国30か所の国立研究機関に研究目的で供試したものの1つです。そしてその4年後の2003年(品種登録の3年前)に「シャインマスカット」と名付けられ、香川県下7人の生産者に試験木として苗木を提供されたのが香川県での生産の第一歩です。
シャインマスカットについて生産者の方にお話を聞くと、「他品種の皮ごと食べられるぶどうよりも表皮が傷つきにくく病気に強い。また摘粒がしやすく作業効率がよい」そうです。
香川県は県のブランド「さぬき讃フルーツ」の品種に指定して消費拡大を行ったり、また香川県農協は生産者に対して栽培を推奨したりしています。
【消費者の流行に合致した品種】
栽培面積が広がり、入荷量が増えていますが、同時に需要も増えています。日本農業新聞が発表しているトレンド調査「果実の売れ筋期待値ランキング」では、200種近くある果物の中から2011年から6年連続で1位という絶大な人気を誇っています。その理由は、「おいしくて食べやすい」ということ。手軽さと食味の良さが、消費者の支持を集めています。他の品種と比べると値段は高いのですが、当社では1房売りの他にも少量パックを作ってお買い求めしやすくしています。1世帯当たりの人数が少ない今は、この食べきりサイズのパックは人気です。 また、ピオーネと同様、時期的にお中元ギフトにピッタリの商品です。更に、国外の需要も高まっています。
県産生産者は、他県産よりも大粒・大房となる栽培を進め、高品質なシャインマスカットを出荷しています。7月から9月頃まで出回りますので、ぜひご賞味ください!
果実部 福本篤史
※参考文献
山田 昌彦、山根 弘康、佐藤 明彦、平川 信之、岩波 宏、吉永 勝一、小澤 俊治、三谷 宣仁、白石 美樹夫、吉岡 美加乃、中島 育子、中野 正明、中畝 良二 (2008). “ブドウ新品種 ‘ シャインマスカット ’”. 果樹研報 7: 21-38.