高松青果株式会社

2018 6

こな(カイワレ大根の一種)

【聞きなれない名前「こな」】
 皆さんは「こな」という野菜の名前を聞いたことがありますか?おそらく香川県外の方はほとんど聞いたことがないのではないでしょうか。写真のとおり、見た目は大根のスプラウト(カイワレ大根)のような野菜です。カイワレ大根は主に水耕栽培で工場のような室内で大量生産されるものがほとんどです。そしてカイワレの食べ方はというと、ほとんどが生のまま、サラダや付け合わせとして食べますが、こなは、軽く湯がいておひたしにして食べるのが一般的です。

【貴重な高松のこな】
 昔から農家では、大根の「はざ」(種をまいて出てきた若葉を間引いたものを香川ではこう呼びます)のおひたしをよく食べていました。主に中讃、西讃ではカイワレより短めで収穫し、根の部分を軽く水洗いしたものをそのままビニール袋に入れて出荷しています。しかし、高松市内の生産者は専用の二十日大根の種をビニールハウスで栽培し、長さをそろえてきれいに束にして出荷しています。これには大変手間がかかるのと、一粒に一本しか生えないので種代も結構かさむということで作り手も減ってきているのが現状です。

【夏が旬の地場野菜】
 こなは、梅雨に入る今頃から出回ります。カイワレ大根のような辛味はなく、おひたしにした時の風味と食感は格別です。これからの季節、野菜不足になりがちな時にもさっぱりと食べられるのでおすすめです。ただ、高松ではこなの生産者が減り、今や貴重な野菜となっています。多くの方に食べてもらうことで、これからも栽培を続けていただきたいと考えています。スーパーなどの店頭で見かけた際にはぜひお買い求めいただき、召し上がってください。

野菜1部 上原 修、芝野 拓也

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