2020年 2月
分葱(わけぎ)
【旬を迎えるわけぎ】
今月はこれから旬を迎える香川県産の「わけぎ」について紹介します。青ネギによく似ているわけぎ。でも、よく見ると根元の部分が違います。わけぎはネギと玉ねぎの雑種とも言われており、根元が球根状に膨らんでいるのが特徴です。香川県全域で栽培されていますが、多く栽培されているのは高松市岡本町になります。市場に出回るのは11月~4月。旬は2月~3月初旬で、ひな祭りの頃が最もおいしいと言われています。
【栽培での苦労】
生産者さんにわけぎの栽培で苦労する点を伺うと「土寄せ」という作業が大変だと仰っていました。わけぎの白い部分は伸びるごとに「土寄せ」という土をかぶせる作業を行います。こうすることで、土に覆われている部分は白く、出ている部分は日光に当たって青く成長するのです。また、通常、寒くなる時期には支柱を立てて、ビニールをかけ、トンネルを作り、温度が下がらないようにし、成長を促します。しかし、今年は暖かい日が多いため、伸びすぎないように、トンネルをかけるタイミングに注意しているとのことでした。
【おすすめの食べ方】
根の部分が白く、青い部分はつやがあってまっすぐなものが鮮度のよいものです。生産者さんに聞いたおすすめの食べ方はやはり、香川県の郷土料理でもある「わけぎ和え」。作り方はさっと湯がいて切ったわけぎと油揚げ、貝類などを白みそ、酢、砂糖などで作った酢みそで和えるだけ。料理の苦手な方でも簡単にできます。シンプルでわけぎの味がいき、一番おいしい食べ方であるとお話を伺った生産者さんは仰っていました。また、別の生産者さんは青ネギの代わりに味噌汁に入れたり、白ネギの代わりに鍋に入れたりしていると教えてくださいました。
生産者さんが手間暇かけ、心を込めて育てたわけぎ。これから旬を迎え、おいしい時期となりますので、ぜひお召し上がりください。
野菜1部 坂下 奈津紀