高松青果株式会社

2014 8

三豊ナス

今回は代表的な夏野菜「ナス」の中から、主に香川県西部の三豊、観音寺地区で栽培されている「三豊ナス」を紹介します。
ナスはインド原産といわれており、日本には7、8世紀頃伝わってきたそうです。その後全国各地域に広まり、数多くの品種が各地で栽培されるようになりました。現在最も多く流通しているのが「千両ナス」に代表される中長ナスですが、三豊ナスは写真のとおり、大型で丸型の品種で、京都の賀茂ナスと似ており、他の品種より水分が多く軟らかいのが特徴です。
三豊ナスの歴史は意外と新しく、昭和初期に三豊の農家の方が朝鮮半島でおいしいナスを見つけ、種を持ち帰り栽培し始めたのが始まりです。その後手探りの状態で自家採種から栽培を続け三豊、観音寺地区で少しずつ栽培されるようになり、地元での人気が高まりました。しかしながら、千両ナスなどに比べ収穫までに日数がかかるなど栽培に手間がかかり、一株当たりの収穫量が少なく、他品種よりも鮮度管理が難しいなどの理由で地元での流通に限られ、同地区以外で目にすることはあまりありませんでした。
そういった中、数年前にこの三豊ナスのおいしさを県内外に広げようと三豊市の生産者が中心となり、生産者団体の「三豊ナス研究会」が発足しました。同研究会では、県や市などとも協力し、栽培面積の拡大、栽培技術の向上や、販路拡大のPRなど普及に努めています。その甲斐もあり、徐々に知名度が上がり、以前はあまり入荷のなかった高松市場への入荷量も年々増えてきています。当社も当初から販路拡大に協力させていただいています。
三豊ナスは、肉質はもちろん皮も軟らかく種も少ないので、焼きナス、漬物、味噌田楽、煮物、揚物、炒め物などどれもおいしく召し上がれます。三豊ナスは早めに召し上がるようにしてください。保存する場合は、乾燥しないようラップなどでくるみ、涼しい風通しの良い場所で保存してください。冷蔵庫で保存する場合は冷やしすぎないように注意してください。
7月から出荷が始まり10月頃まで続く予定です。今年は天候にも恵まれ順調な生育状況となっていますので、店頭で見かけた際には、ぜひご購入、お召し上がりください。他のナスとの違いを実感できるはずです。

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