2019年 9月
いちじく 蓬莱柿(ホウライシ)
【香川のいちじく】
分厚い果肉とつぶつぶの食感、強い甘みが特徴のいちじくをご紹介します。全国的には西洋品種の桝井ドーフィンが多く栽培されていますが、香川県では、蓬莱柿(ホウライシ)という品種の日本いちじくが主に栽培されています。蓬莱柿は熟すと口が星形に開き、桝井ドーフィンよりも甘みが強いのが特徴です。しかし、果肉が軟らかく、保存や長時間の輸送には向きませんので、香川県内で栽培されたもののほとんどが香川県内で消費されています。そして香川県の人にはこの蓬莱柿が大変好まれています。
高松市や坂出市をはじめ香川県全域で栽培されており、ハウス栽培物が7月下旬から、露地栽培物が8月中旬から10月頃まで入荷します。特にお盆明けから9月中旬が出荷のピークとなり、この時期が生食で一番おいしい時期になります。生食の他にも、ジャムやワイン漬け、てんぷらなど、料理にも楽しい工夫ができる果実です。
【鮮度を維持する工夫】
いちじくは保存が難しい果実です。気温の低い朝または夕方に収穫し、すぐに専用の冷蔵庫に入れます。一度予冷することで果肉がしまり、傷みに強くなります。また流通時も冷蔵車や冷蔵庫などを利用し、なるべく冷蔵環境下において鮮度を維持しています。みなさまがお店で購入してからは、冷蔵庫で保存して早めにお召し上がりください。また、いちじくの選び方としては、皮に張りと弾力があり、甘い香りがするもの。口が星形に割れかけているものがよいです。また、口が割れすぎているものや色が青々としているものは、ジャムなどの料理に用いるといいでしょう。ぜひご賞味下さい。
果実部 福本篤史