2018年 3月
しらぬひ(デコポン)
デコポンの商標でおなじみですが、正式な品種名は「しらぬひ」です。
【生産量アップ中の人気柑橘!】
ハウス施設栽培物は12月~2月頃に出回ります。露地物は1月~2月頃に収穫し、貯蔵庫で貯蔵したものは3月~4月に、冷蔵貯蔵したものは5月~6月に出回ります。(一般的に柑橘は一定期間貯蔵することにより、酸が抜け甘くおいしくなります。)しらぬひは3月に一番多く出回りますが、同時期の他の柑橘と比べると、さっぱりした甘さと酸味のバランスと、手でむきやすいことで人気の柑橘となっています。
柑橘類全体の生産量が減っている中、しらぬひの生産量は年々増えています。高松市場への入荷量は、10年前は約50tでしたが、平成28年では約100t※にまで増えています。これは中晩生柑橘類全体の約5%にあたります。もともとは熊本が発祥の果物ですが、高松市場に入荷するしらぬひは、90%以上が香川県産となっており、今年は生育も順調で、市場入荷は更に増えそうです。
【上向き並べでデコを魅せる!】(デコ:ヘタの出っ張り部分)
しらぬひは、JA香川県では階級ごとに玉数がきっちり決まっている品目のひとつです。たとえば5kg箱の規格では、4L15玉、3L18玉、2L20玉、L24玉、M28玉で、1段並べの平べったいダンボール箱にトレーを敷いて並べられています。
さて、この「並べ方」ですが、一般的に柑橘類はヘタを下向きにして並べられるのが業界の常識。ネーブルを除くほとんどの柑橘は、ヘタ側よりもおしり側の方がきれいに見えるからです。ところが、しらぬひの並べ方は他とは違い「ななめ上向き」方向で並べます。わざとデコが見えるように並べることで、他の柑橘との違いが明確になるからです。少しななめに傾けることで更にデコが際立ち、より存在感が出てきます。買うときはついついデコ具合で選んでしまいがちですが、食味はデコのあるなしに関係ないのでご安心ください。
昨年からハウス栽培と冷蔵貯蔵のしらぬひは、香川県が認定する特産果実「さぬき讃フルーツ」に登録できるようになり、香川県ではますます話題になっています。ぜひ旬のしらぬひを味わってください!
果実部 福本篤史