2015年 4月
たけのこ
今月は、4月に本格出荷を迎える香川産「たけのこ」を紹介します。香川県内では仲多度郡 まんのう町、琴平町 三豊市 高瀬町、財田町などで多く収穫されています。
高松市場に入荷する香川県産たけのこは、主に農協出荷となる協撰物と個人出荷となる個撰物があります。個撰物については、売場にひとつずつ広げられ、写真のように卸と買受さんが品物をはさんで対峙し、品物に沿って移動しながらセリを行っていきます。品物を十分に見定めて良いものをセリ落とそうとする多くの買受さんが集まり、この時期ならではの光景が見られます。
良いたけのこの選び方ですが、まず、鮮度が一番です。時間が経つとえぐ味が強くなりますので、すぐにあく抜きをしてください。地上に出る前の若いたけのこが、柔らかく、あく、苦味が少ないといわれていますので、選ぶときには穂先が黄色く、皮の色の茶色が薄いものを、さらに、皮にツヤと湿り気があり、太くて、ずんぐりとして、重いものを選ぶようにしましょう。
この時期だけのたけのこですので、まずは「若竹煮」でぜひお召し上がりください。山の旬のたけのこと、海の旬の新わかめに香りのよい木の芽をそえて春の味覚をご賞味ください。もし、たけのこ煮が余ったら、味付けを少し濃い目にして翌日天ぷらにして召し上がってみてください。このような食べ方は他県では珍しいそうで、以前にテレビ番組で紹介された時に、他県の方はもちろん、たけのこは煮物の天ぷらが当たり前と思っていた香川の方も驚いていました。
たけのこにも柑橘類と同様に、豊作型となる「表年」と不作型となる「裏年」があり、1年ごとに表と裏で収穫量が増減します。今年の香川県産たけのこは、裏年にあたるため昨年より少なめの入荷となりそうですが、品質的には例年と変わりないようです。大きな鍋が必要ですし、あく抜きもしなければならず、手間はかかりますが、手間をかけた分、水煮など加工して販売されているものとは一味違った旬の味が味わえるはずです。中旬以降には入荷が安定し、値段的にもお求め安くなりますので、ぜひこの時期に地元香川県産の旬のたけのこを召しあがってください。