2024年 1月
まんば
今回はさぬき讃ベジタブルの対象品目であり、香川の伝統野菜として県下全域で栽培されている「まんば」をご紹介させていただきます。同じ香川県内でも東部では「まんば」、西部では「ひゃっか」と呼び名が違い、株の外側から葉を1枚1枚収穫するのですが、次々と葉が芽吹くことからこのような名前がついたと言われています。11月から3月頃まで出回り、寒さが厳しくなると葉がちぢれて紫色が濃くなり甘さや柔らかさが増します。このまんばを使った香川の郷土料理「まんばのけんちゃん」は古くから香川県民に愛され、学校給食の献立にも採用されています。
今回は観音寺市でまんばを栽培されている加地さんの圃場を取材させていただきました。加地さんがまんばの栽培をはじめたのは3年前で、まんばの生産者が年々減っていっていることを知り子供の頃から大好きだったまんばを残したいとの思いからだそうです。
このエピソードだけでも香川でまんばがどれだけ愛されているものかがお分かりいただけると思います。
加地さんが代表を務める「克己(こっき)まんば生産会」は令和4年度にさぬき讃ベジタブルの認定生産者になられています。克己まんば生産会の商品にはさぬき讃ベジタブルのイメージキャラクター「べジィさん」のシールが貼られているのですぐに分かると思います。
今年は育苗の始まる8月以降高温が続き、降雨も少なかったことから他の野菜と同様に干ばつ状態になり灌水作業に追われたそうです。ですが、そこでの手を抜かない丁寧な作業の甲斐もあり収穫は平年並みの10月27日に開始できました。灌水作業のほかに病虫害が多発するなど管理に大変苦労されたものの、適期灌水や病害虫防除を徹底され、大変品質の良いものに仕上がっており12月中旬頃から冷え込みが強くなったことでますます美味しくなっています。生産者の方のお話では、外側の葉から1枚1枚取っていく収穫方法のため機械が使えず完全手作業という伝統野菜ならではの苦労もあるとおっしゃっていました。まんばにはポリフェノールやビタミンCが多く含まれており、抗酸化作用があり美肌効果も期待できるのでスーパーで見かけた際には手に取って食べていただきたいです。
営業第2グループ 小島