2017年 12月
まんば(万葉)
【「まんば」という名前の由来】
香川県にお住まいの方にとっては、「まんばのけんちゃん」でおなじみの「まんば」を紹介します。現在栽培されている「まんば」は高菜の一種、三池高菜という品種で、香川県内各地で広く栽培されており、西讃地域では百華(ひゃっか)、一部の地域では千葉(せんば)とも言われています。漢字では「万葉」と書き、読んで字の通り「何枚もの葉をつけ、採っても採っても次から次へと葉が出てくる」というのが名前の由来であり、特徴でもあります。
【収穫と出荷】
香川県では山間部などの早いところでは8月のお盆前後に種を蒔き、9月下旬~10月上旬頃より収穫することができ、4月頃まで長期間に渡って出荷できます。
ほうれん草や小松菜など一般的な葉物は一度収穫するとそれっきりですが、「まんば」はというと成長した外側の葉だけを摘み取っていきます。収穫後、採った内側の葉が成長し、それをまた収穫してゆくという繰り返しです。1枚の葉が大きいので、5枚ぐらいを一つの束にして、一箱に10束詰めて市場に出荷します。
何度も収穫できていいように思われるかもしれませんが、そのほとんどは露地栽培で天候に大きく左右されます。今年の場合、早い時期に植え付けをした生産者は、10月の2週連続の台風の影響などもあり、再度植え付けをしなければならないなど大変苦労されています。それでも生産者の努力のおかげもあり、他の葉物野菜に比べると数量は増えてきています。
【これからがおいしい「まんば」】
「まんば」は生産したもののほとんどが県内で消費される「地産地消」の代表的な野菜です。寒くなり霜が降りると、より一層柔らかさと甘みが増してくるので、これからどんどんおいしくなってきます。葉が肉厚で、赤紫色の濃い葉の方が味が濃くおいしいと言われていますので、購入の際には参考にしてください。
地域の伝統料理ですが、なかなか外食では食べる機会が少ない「まんばのけんちゃん」。まだ食べたことのない方は、この冬、一度調理してみてはいかがでしょうか。
野菜1部 田中 大資