高松青果株式会社

2017 10

ゆら早生みかん

【糖度の高い新品種】
 ゆら早生は10月上旬から11月上旬に出荷される極早生品種の温州みかんです。
 1995年に品種登録された比較的新しい品種ですが、他の極早生品種のみかんに比べると味が濃く、糖度が高めのみかんなのです。日本農業新聞が発表しているトレンド調査「果実の売れ筋期待値ランキング」では2015年と2016年で共に3位にランクインしています。この品種の登場は、極早生みかん全体の販売に大きな変化をもたらしました。

【おいしさの秘密は根にあり!】
 高松市西部地区は、県内でも有数のみかんの産地ですが、ここ数年ではゆら早生の栽培に力を入れる生産者が増えています。そこで、高松市西部・鬼無町是竹で栽培する生産者の方に、ゆら早生の栽培についてお話を伺いました。
 ゆら早生の木の特徴は、大きく2つあります。まず一つ目の特徴は、樹勢が弱く、根が少ないということです。幼木の頃は、根をはらすために通常よりも丁寧に肥料・堆肥播きの手間をかけます。それでも根は少なく、水を吸う力は弱いのです。この根の影響で、出来る果実は水分含有量が少なくなり、味の濃いみかんが出来るそうです。

【とにかく早めに摘果する!】
 二つ目の特徴は、成り年・不成り年が関係なく、毎年たくさんの花が咲く(いわゆる表年、裏年がない)ということです。たくさん花がつくと着果量が多くなりますが、収穫時には小玉ばかりになってしまうのです。ですから、他品種のみかんよりも摘果(幼果の間引き)に手間をかけなければいけません。他品種では7~8月に行う摘果作業を、ゆら早生では6月に行います。梅雨の時期ですので、雨の降っていない日を狙って一気に摘果作業を行います。かなりの量を摘果しないといけないので、この作業がゆら早生の栽培で一番大変な作業だそうです。

 そんな丹精こめて作った品種「ゆら早生」、ぜひご賞味ください!

果実部 福本篤史

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