2021年 2月
わけぎ
【香川県産わけぎの特徴】
今月は、これから旬を迎えるわけぎを紹介します。植え付けは9月中旬より行われ、市場には11月~4月の入荷となりますが、12月頃よりトンネル栽培を行うことにより寒い冬場でも成長を促し、旬を迎えるのは2~3月初旬となります。西日本では広く栽培されており、近くでは広島県にて盛んに栽培されていますが、香川と他ではその育成方法が異なります。地物は10月~11月の間に土寄せを何回も行います。土寄せとは作物の茎元に土をかぶせることで、わけぎでは茎が日光に当たって茎の色が緑にならないようにするために行います。そうやって手間暇かけて育てることにより、他にくらべ白い部分が多く育つ分、甘くてやわらかく仕上がり大変美味しくなるのです。
【生産者のご苦労】
当社に出荷されている生産者にお話を伺ったところ、苦労されるのは収穫から箱詰めまでの一連の作業だと言われていました。畝をスコップで深く掘り、折れないように丁寧に土や泥を除き、1本1本外側の皮を剥いてきれいにしたあと、束にして丁寧に箱詰めしていく過程は、何年経っても大変気を使われるとのことでした。
【おすすめの食べ方】
おすすめの食べ方を伺ったところ、やはり一番は、香川の郷土料理でもある「わけぎ和え」だそうです。作り方は、わけぎを青い部分と白い部分とに分け、サッと茹でた後にザルに入れて水切りを行います。生産者のお宅では、水切りのかわりに布巾で包み軽く絞るそうです。そうすればぬめりが幾分取れ、手早く仕上がるとのことです。水切りを行ったあとは好みの大きさに切り、白味噌、砂糖、酢を混ぜた酢味噌で和えて完成です。最近は、わけぎ用の味噌が量販店で販売されている為、作るのに手間がかからないそうですので、生産者の方々が様々な工夫を凝らして育てられた香川県産のわけぎ、これから旬を迎えるこの機会に、ぜひ味わってみてください。
野菜部 安藤 尚人