2013年 10月
セレベス(里芋の品種のひとつ)
里芋の原産地はインド周辺の南アジアで、日本に伝わってきたのは非常に古く稲作が伝わるよりも前の縄文時代にはすでに栽培されていたそうです。名前の由来は、山でとれる山芋に対し、人里で栽培されたことから「里芋」と呼ばれるようになりました。里芋は、株の中心に親芋があり、そこから子芋、その外側に孫芋がたくさん付きます。ひとつの親芋からたくさんの子芋、孫芋がとれることで、子孫繁栄の縁起物でもあり、日本人の食生活に欠かせない野菜として古くから親しまれてきました。今回紹介するセレベスはおもに「子(小)芋」の部分を食べる品種です。
里芋の種類は200種以上ありますが、香川県内で多く栽培されているのは赤芽の「セレベス」という品種です。名前の由来は、原産地であるインドネシア、セレベス(スラウェシ)島から移植したためといわれています。一般に多く流通している白芽の里芋(石川早生、土垂などの品種)よりも赤みがかった色をしており、ぬめりが少なめで、ホクホク感が特長のこれから旬を向かえる里芋です。
里芋の主成分はデンプン質で、加熱すると消化吸収しやすくなります。カリウムが多く含まれ、食物繊維も多いので高血圧、体脂肪、コレステロールなどの生活習慣病が気になる方にはおすすめです。
良いセレベスの選び方は、ころころした丸っこいものを選びましょう。大きすぎると親芋のような固い食感になります。また、表面が乾燥しているものや、こぶやひび割れのあるものは避けましょう。里芋はもともと熱帯地方が原産で、高温・多湿を好み、乾燥や寒さに弱い作物です。保存方法は、泥付なら紙などにくるみ、湿度を保ち室温で保管するようにしてください。皮をむいているものは早めに食べるようにしましょう。
だんだん秋めいた季節になり、煮物や鍋物がおいしい季節になってきました。今年の県内産セレベスの出来は例年並で十分な量が出回りそうです。ぜひこの時期に旬のセレベスを召し上がってください。