高松青果株式会社

2015 11

セレベス

 今月は今が旬の里芋の品種のひとつ「セレベス」を紹介します。
 里芋の種類は200種以上ありますが、今回紹介するセレベスは赤芽と言われる品種のひとつで、親芋も食べられますが、おもに子(小)芋の部分を食べる品種です。白芽の里芋(石川早生、土垂などの品種)よりも赤みがかった色をしており、ぬめりが少なめで、ホクホクとした食感が特長の今が旬の里芋です。
 全国的に見ると、里芋のうちセレベスの取扱量は決して多くありません。東京市場でも大阪市場でも里芋の中でセレベスの取扱量の割合は1割にも満たないのですが、高松市場では他の地域とは大きく異なり、セレベスの取扱量の方が多くなっています。平成26年の年間取扱量実績を見てみると、白芽の里芋が117tに対しセレベスが133tと上回っており、その比率、取扱量は西日本一だということです。
 そこまで香川でセレベスが食べられている理由は、普段から食べられている料理にあるのではないでしょうか。香川には「いもたこ」という料理があり、字のとおり、里芋とたこやいかを煮つけたものです。白芽の里芋でも十分おいしいのですが、セレベスの食感を好むという方が多いようです。また、香川の郷土料理のひとつに「しっぽくうどん」といううどんがあります。秋から冬場にかけて多くのうどん屋のメニューに並び、これからの時期、家庭でもよく食べられますが、こちらもセレベスが欠かせません。他に、ばら寿司にも小さめに切ったセレベスを入れるところが多いようです。
 また、生産者の方から煮物が一番おいしいけれども「コロッケ」にしても食べるということを聞きました。農家の方は一度に多めのセレベスを煮物にしますので、1日では食べきれず翌日、翌翌日と食卓に出ると、おいしいのですが何日か続くとどうしても飽きてきます。そこで、煮たセレベスをジャガイモのコロッケ同様につぶして、炒めたひき肉などを加えコロッケにすると、味、食感も変わり、またおいしくいただけるとのことでした。ぜひお試しください。
 今年の県内産セレベスは、10月に雨が少なく生育の遅れが心配されましたが、順調に出荷されています。ただ、例年より早めに切りあがる見込みとのことです。旬の時期の香川県産セレベスを召し上がってみてください。

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