高松青果株式会社

2013 5

ハウスみかん(上野早生・宮川早生・小原紅早生)

今月は香川県の特産品で、これから夏に向けて出回り、贈答にも最適な「ハウスみかん」を紹介します。

ハウスみかんは、冬の時期にハウス内を暖房し花を早く咲かせて、5月頃から収穫、出荷される温州みかんのことです。このハウスみかんは、一般的な冬場の温州みかんより糖度が高く、酸味が少なく、味のばらつきも少ないのが特徴となっています。収穫までのハウス内の温度管理、水分管理に大変手間がかかるうえ、ここ数年来の原油高により農家の方々の負担がより大きくなっているので、価格的には高価な果実として販売されています。

高松市西部の湯谷孝行氏が、昭和45年ごろ日本で初めてハウスみかんの栽培に成功し、改良を重ね、今のように香川県下に広く普及しました。JA香川県産のハウスみかんは品質が高く、高松市場はもとより、関西方面でも人気の商品となっております。

今月の8日、高松市場では高松西部地区より初入荷したハウスみかんの初セリが行われました。5月いっぱいは極早生品種の「上野早生」中心の入荷となり、6月頃からはもっとも多く栽培されている品種「宮川早生」のハウス物が多く入荷します。今年は天候等の影響で出荷時期は少し遅れましたが、作柄は例年以上とのことですので、今シーズンもおいしいものを皆さんに召し上がっていただけそうです。

以前にもこのコーナーで紹介したことのある「小原紅早生(おばらべにわせ)」のハウス物は、少し先の7月に入ってからの入荷となりそうです。この「小原紅早生」は、坂出青海地区の小原幸晴氏の畑で発見され、それから20年近くの歳月を費やし、平成5年に新品種として登録されました。紅色が極めて濃く、また、甘味が強く、果皮がなめらかで、果実の締りが良好な香川県のブランドみかんです。

ハウスみかんも冬場のみかん同様、ビタミンやミネラルが多く含まれており、特にビタミンCが多く含まれているのはご存じのとおりです。酸味の元となるのはクエン酸という成分で疲労回復に効果があります。他にもβ-クリプトキサンチンという抗酸化物質も多く含まれており、この成分にはガンの予防に効果があるといわれています。また、ハウスみかんは冬場のみかんより中の袋(正式には「じょうのう」と言うそうです)が薄くなっています。この袋や袋についている白いすじは、食物繊維で整腸作用があるので、すじはあまりとらず袋のまま一緒に食べてください。

値段はまだ高いかも知れませんが、これから夏にかけて出荷量も徐々に増えてきます。ぜひ香川県産の高品質のハウスみかんを召し上がってください。

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