2015年 3月
ハッサク(八朔)
皆さんは春先に出回る中晩柑類をいくつご存知でしょうか?中晩柑とは、主に1月から5月頃まで出回る温州ミカン以外の柑橘(ミカン類)のことです。いろいろな種類の柑橘が出回っている中、今回は歴史の古い「ハッサク」を紹介します。
中晩柑類の内、ハッサクを含めた甘夏、文旦などは、12月から1月頃が収穫時期です。収穫したばかりの柑橘は、酸が多くて大変酸っぱいものです。それを何日か貯蔵保管することで酸が抜け、甘味が強くなってきます。ほとんどの柑橘は、収穫後一定期間貯蔵し、酸がある程度抜けてから出荷しています。
お隣の愛媛県など香川周辺に中晩柑の産地は多いのですが、当社で扱うハッサクのほとんどは香川県産で、その割合は約95%になります。主に綾歌、坂出、三豊地区などから入荷し、1月頃から6月頃まで出回ります。
その中で、香川のブランドハッサクとして人気の高い「丸龍」のハッサクを紹介します。丸亀市綾歌町の佐藤さんを中心とした生産者12軒からなるグループは、冬に収穫したものを通常より遅めの3月~6月頃に出荷します。遅めに出荷する理由は、早い時期は寒いので皮をむくのが億劫と感じる消費者が多かったり、他に競合する品種が多かったりするので需要が今ひとつ伸びないためです。そのため、生産者の方は、長期貯蔵して需要が増えてくる遅い時期に市場へ出荷する、という努力を行っています。
長期貯蔵するために、収穫した実を収穫コンテナごと冷蔵庫に入れます。出荷時期には冷蔵庫から出し、常温に戻すのに1日、付着した水分を拭いて汚れを落とすのに1日、箱詰めと出荷に1日、計3日間かけて選果を行います。味はもちろんのこと、選果がしっかりされており見た目も大変きれいなため、店頭売りだけでなく、贈答用としても人気の商品です。赤色で龍の絵の入った箱で出荷されていますので、売場で見かけた際はぜひ購入してください。
今年度の香川県産ハッサクは、大きさも量も平年並みとなっており、全体的に酸抜けが良く食味も良好です。これからの時期、甘味と酸味、苦味のバランスの良い香川県産のハッサクをぜひご賞味下さい。