高松青果株式会社

2013 8

ミニ冬瓜

今月は、夏野菜のひとつ「ミニ冬瓜」を紹介します。ミニ冬瓜は、一般に流通している「冬瓜」を品種改良したひとまわり小さめの冬瓜です。一般的な冬瓜は長さが30cm以上にもなりますが、ミニ冬瓜は20cmほどです。味や風味は変わらず、小さいので調理しやすく保存もしやすいため徐々に人気が出てきました。

夏に収穫されるのに「冬の瓜」という名前はなぜかというと、日持ちがよく、丸のまま常温で冬まで保存ができることからこの名前が付いたとのことです。冬瓜はインドや東南アジアが原産で、日本には5世紀頃に中国から伝わり、古くから長く貯蔵ができる瓜ということで大変重宝されてきました。

冬瓜が多く栽培されている地域は、沖縄県、愛知県、岡山県などで、香川県ではあまり栽培されておらず、流通量も決して多くありませんでした。そんな中、平成18年から香川県では「ミニ冬瓜」の栽培を始めました。一般の冬瓜は南瓜などと同じように地面につるを這わせて栽培しますが、香川産のミニ冬瓜はパイプハウスにつるを這わせる棚上栽培という方法も取り入れています。この栽培方法と、手ごろな大きさということで一般の冬瓜より栽培に係る負担も少なくなっています。

冬瓜はその95%が水分で、他の夏野菜同様、体を冷やす効果があります。その他、ビタミンCが多く含まれ、利尿作用があるカリウムも多く含まれており、高血圧の予防など多くの生活習慣病の予防にも効果があります。

冬瓜を選ぶ時には、色ムラがなく重みがあるもの、全体に白い粉(ブルーム)がふいたようになっているものを選んでください。ただミニ冬瓜は、このブルームが少なめです。カットして販売しているものは切り口がみずみずしい物を選んでください。調理方法は、煮物、炒め物、和え物、スープなどさまざまな調理に適しています。淡白な果肉にうまみをしみこませるために、皮をむき適当な大きさに切った後、隠し包丁(切り目)を入れたり面取りをするようにしてください。保存方法は、切らずに保存するときは、へたを上にして立てて日の当らない風通しの良い場所で保存してください。カットしたものは、切り口にラップし冷蔵庫で保存してください。

今年の香川県産のミニ冬瓜はすでに7月から出荷が始まっており、9月頃まで入荷する予定です。作柄も平年並みで、入荷量、単価も平年並みの見込みです。香川でもまだなじみの少ない野菜かもしれませんが、今が旬の香川産ミニ冬瓜を召し上がって暑い夏を乗り切ってください。

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