2020年 11月
富有柿
【西日本の主力品種】
香川県では柿といえば甘柿である富有柿を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。柿の品種は1000以上あると言われていますが、全国の生産量では約25%、当社入荷量では約半分が富有柿です。出回り時期は、11月上旬~12月中旬頃です。寒さに弱く、12月下旬以降の入荷はほとんどありません。
この富有柿は「完全甘柿」であり、渋柿である刀根早生(とねわせ)や愛宕(あたご)などの品種とは違って渋抜きをしなくても食べられる柿です。そして強い甘さがあり、見た目も大玉で美しく、まさに完成された品種といっても過言ではないでしょう。また2週間ほど早く成熟する「松本早生富有」とはよく似た品種ですが、富有柿の方が寒い時期に出荷されるため、軟化しにくく色も鮮やかな赤色になります。
【大変な収穫作業】
柿の木は果樹の中でも背が高く成長し、大きいものでは高さ15メートルほどにもなります。ハシゴや高所作業車などを使って、色づいた柿から順に収穫していきます。11月下旬頃になると柿が一斉に色づいてきますが、そうなると急いで収穫しなければなりません。さらに、収穫が終わると選別と出荷作業があります。この時期が柿の栽培で一番忙しい時期です。
また、生産者にお話を伺うと「今年は猛暑で夏場の外の作業が厳しく、また雨不足で玉太りが進まずに苦労した。」とおっしゃっていました。
そんな生産者が苦労して育てた香川県産の富有柿、どうぞお楽しみください。
果実部 福本篤史