2015年 10月
極早生みかん(ゆら早生)
今月は香川県内でも多く栽培され、これからの秋から冬にかけてなくてはらなない果物「温州みかん」、今回は、9月後半から10月にかけて出回る「極早生みかん」の中から、最近人気の高い「ゆら早生」を紹介します。
極早生みかんは皮の色にまだ緑色が残り、酸味が強いのが特徴です。秋にはこの甘酸っぱさがなくてはならないという根強いファンの声もよく耳にします。「日南の姫(ひなのひめ)」、「日南1号」、「楠本早生」などの品種が出回りますが、香川県産「ゆら早生」は極早生としてはやや遅めの10月中旬から11月上旬頃まで出回ります。
ゆら早生は、宮川早生の枝変わりで和歌山県で発見されました。果形は球体のように丸く、従来の極早生より色づきは青めですが糖度が高く、じょうのう膜(内包の皮)が薄くてとても食べやすいのが特徴です。 高松市場をはじめ各市場の評価も高く、多くのスーパーが銘柄指定で買われ、他の品種と区別して販売しています。一方、生産者からは、品質的には良いのだが、樹勢が弱く実がなりにくいため収穫量が少なく、他の品種より手間がかかるとの苦労話を聞きます。
栽培の苦労はあるものの、人気の高まりとともに香川県内でも高松市内をはじめ、西讃地区、中讃地区でも栽培面積が増えています。通常のみかんは10kg入りの段ボール箱で出荷されますが、JA香川県は主に5kg入りの段ボール箱で出荷しています。価格は従来の極早生みかんに比べて高めですが、その味にはご満足いただけるものと思います。
香川県では消費される地域によって、好まれるみかんの大きさに違いがあるという説があります。一概には言えませんが、東讃・西讃では大玉が、中讃では小玉が好まれる傾向 があります。東京などの都心では、より小玉(2S)なども好まれています。極早生・早生みかんは小玉ほど味が濃い傾向にあります。今までは大玉だけを好んで食べていた方も、小玉もぜひ試して頂けたらと思います。
秋も深まるこれからの時期、ゆら早生をはじめとする香川県産みかんをぜひご賞味ください。