2016年 12月
食べて菜
『食べて菜とは』
18年ほど前、香川に「さぬき菜」という野菜が誕生しました。さぬき菜は、広島菜と野沢菜を交配してできたもので、柔らかく、味も大変おいしいのですが、軸が折れやすいなど栽培に手間がかかる品種でした。そのさぬき菜に小松菜をかけ合わせたものが「食べて菜」です。小松菜よりも成長が早く、比較的栽培もしやすく、そして、柔らかく、一番にアクが非常に少ないのが特徴で、いろいろな料理にオールマイティに使用できる野菜です。
『さぬきの野菜として』
10年ほど前、香川県農業試験場から新品種の野菜の種子ができたので販路を開拓してもらいたいとの要望があり、お話を聞くことになりました。まず圃場を視察してみて、これは良い品種だと実感し、それから県の方たちと普及に取り組むことになりました。
販路拡大にあたり、当社に出荷していただいている生産者の方に栽培をお願いしました。そして、最初に子供たちに食べてもらいたいということで、高松市学校給食部に相談し給食で使ってもらえることになり、そこで子供たちからはおいしいという声がたくさん聞かれました。また、名前も子供たちにつけてもらおうということで公募した中から、おいしいから「食べて~な」という意味で「食べて菜」に決定しました。
『あらたな取り組み』
かがわブランドの野菜としての確立、普及に向けた新たな取り組みとして、今年の春に浜田香川県知事に、県有商標権承諾申請書を提出しました。正規の種子を用い、適正な品質の商品として販売してもらうため、生産者は商標権使用申請が必要となります。5年以内の許諾期間を設けその期間内は、売先や規格、容器等、販売計画書を提出しそれを基に生産、販売していくことになりました。
地産地消の時代に、小松菜に変われるさぬきの野菜として、一般消費者、学校をはじめとした給食事業、また、さぬきの和、洋、中のシェフにとっても欠かせない野菜として認めていただけるように、もっと販路拡大に努力していきたいと思います。
野菜1部 上原 修