2013年 4月
香りごぼう(新ごぼう)
4月に入り、やっと暖かい日が増えてきました。今月はこれから出荷が始まる「香りごぼう(新ごぼう)」を紹介します。
皆さんはごぼうといえば、長さが1m近くになる、長くて色の黒いものをイメージすることでしょうが、今回紹介する香りごぼうは、根の部分の長さが30cmほどの短いものです。市場に出荷する時は、写真のように葉先を切り落とし軸の部分を20~30cmほど付けて、選別して太さなどをそろえてから束にして出荷します。
一般的な長いごぼうは、春に種をまき、秋から冬にかけて出荷するものが多くなっています。根を長くするため、土質が火山灰等の軟らかい所が主な産地となっており、この時期高松市場に入荷するものはほとんどが北関東や北海道産などとなっています。
一方4月から出荷される香川産の香りごぼうは、秋(10月頃)に種をまきトンネル栽培で栽培されたもので、露地栽培の新ごぼうよりも1~2ヶ月ほど早く出荷されます。高松市前田地区が主な産地となっており、現在7軒の農家が手間暇をかけて栽培しています。このトンネル栽培に続き、露地物、続いて春蒔き(1月から2月頃種をまいたもの)と7月下旬ごろまで出荷が続きます。露地物が出回る頃になると前田地区以外にも高松市一宮地区などからも多く出荷されるようになります。
この香りごぼうの特徴は、何といってもその柔らかさ、そしてその香りです。一般的な長いごぼうの場合、きんぴらごぼうや筑前煮などの比較的濃い味付けのものがポピュラーですが、この香りごぼうは出汁と醤油などで薄味な味付けで軽く煮ていただき、ごぼうの優しい香りとその柔らかさを味わってください。軽く湯がいてサラダ感覚でも召し上がれます。もちろん、きんぴらやてんぷらにしてもおいしく召し上がれます。
ごぼうには食物繊維とミネラルが多く含まれています。便秘解消はもちろんのこと、体内の余分な塩分、コレステロール、老廃物などを排出する効果もあり、生活習慣病予防に優れている野菜です。選び方は、根、軸のみずみずしいものを選び、乾燥しているものは避けましょう。保存方法は、新聞紙やラップ等で包み、できれば冷蔵庫で立てて保存してください。
今年は1、2月の寒さなどの影響で例年より入荷が少し遅れていましたが、これからは順調に出荷されるようです。4月は、香りごぼうだけでなく、以前に紹介したこともある軸の部分も食べられる香川県特産の「葉ごぼう」も多く出回っています。この時期に一度食べ比べてみてはいかがでしょうか。